コードを好きに書ける、働き方に自由がある。
エンジニア勝又 尚人
早稲田大学理工学部助手、ヤフー株式会社検索事業部、同プラットフォーム開発部マネージャーを経て、ユニバーサルナレッジ株式会社。博士(工学)、専門は画像検索。
新卒でヤフー株式会社へ
検索を専門としていたので、その分野が行かせると思い、新卒でヤフーに入りました。また成長スピードにも魅力を感じました。入社後は当時のリスティング事業部に配属。そこはログの集計が主な業務であり、自分の専門とはまるで違う分野でした。でも、「どんな業務であれ、面白ければいい」と最初から思っていたので、特に抵抗はありませんでした。
全社の膨大なログを管理
最初は検索のログだけを扱っていましたが、徐々に増えていき、やがて全社のログ全てを担当するようになりました。その当時でも、ヤフーへのアクセス数は日本一、ログの量も膨大です。それを限られた時間に集め、基本的な加工をして、各部署に渡します。受け取った部署はそれをもとにサービスを改善するなど、事業の方向性を決めていく。そんな流れになります。
もっとコードを書いていたい
Hadoopを日本でも早めに導入し、サーバーも多数を繋げて分散処理。急成長会社ならではのインフラ整備が行われていました。逆にそうした環境のため、データ処理のプログラムをゼロから作り上げるなど、エンジニアとしての力量は成長したように思えます。ただマネジメントも兼務するようになると、ミーティングなど社内調整が負担になってきました。「もっとコードを書いて開発を続けたい」、そんな思いが次第に募っていきました。
ゼロからの基盤づくり
ちょうどその頃ですね、いっしょにやらないか、と当社のメンバーに声をかけてもらったのは。直感的に面白そうと感じ、入社を決定。入社後は、またゼロからのスタートでした。そもそも人数が少ないので、各種の開発から保守運用まですべてやる、といった状況。中でも大変なのは運用です。開発は自分のペースでできますが、サーバーはいつ不具合が出るかわからず、夜中に電話がかかってくることも。自分の担当外で解決が難しそうなときは、他のメンバーをたたき起こすこともあります。
ログ解析で得意分野を活かす
当社のプロダクトには基本形がありますが、導入の際はエンジニアの技量が必要です。まずデータの持ち方はECサイトによって異なるため、検索エンジンが見つけやすいように加工します。そのため、設計段階でデータや検索の状況を把握しなくてはなりません。そして最適なAPIを構想し、仕様を決定します。大前提として、お客様のビジネスへの理解も大切ですね。当社の強みとして、ログ解析に基づく購買行動の把握がありますが、まさにそれは私の得意分野。そこを期待されて呼ばれたのだと受け止めています。
趣味とかぶって全力投球
最近の仕事で印象に残ったのは、音楽関連の案件です。自分自身、バンドでギターを担当していることもあり、思いっきりのめり込んでしまいました(笑)。幸いにも導入時のバケットテストで売上もクリック率もアップしたので、進捗はスムーズ。着手後、半年ぐらいでリリースも終わりました。ちなみに、このサイトは私自身もユーザーです。この案件とは別ですが、ログを見ると数千万円の商品がネットで売れていたりするので、ECサイトの威力を肌で感じています。
気分は個人事業主に近い
前記のようにユーザーの行動をリアルに実感できるのは、やりがいのひとつです。またエンジニアの視線で見ると、時代によって変わるコードのテクニックなどを、自分の判断で取り入れていけるところも面白いですね。本来、開発の速度を上げるためには、使う言語を統一して、コードの書き方も揃えた方がベストなはず。でも、当社はそこをあえてエンジニアの自由にして、その代わりに自分の領域に責任を持つ、というスタイルにしています。リモートワークと合わせ、気分はもう個人事業主と言えるでしょうか。だからこそ何をやっても人任せにならず、成果物のレベルに妥協がないのだと思っています。
自由を味わい責任を果たす
自由をどう活用するか。それが当社で働く上でのポイントであり、メリットにもデメリットにもなり得ます。完全に任されていますから、趣味や家庭に使える時間は前職時代より大幅に増えました。一方で、ひとりでの作業が日常的なので、さみしい時もあります。私は以前、自転車で日本一周をしながら案件にも携わっていました。本州の東西南北の端はすべて走破し、総走行距離は8,400キロ。それでも業務は滞りなく行えました。当社でないと考えられないスタイルだと思っています。